3回目のタイ旅行は妹と行ってきました。行き先はもちろんチェンマイ。大好きかよ。大好きです。1週間滞在したのですが、真新しいところに全く行っていないのでただタイ会ったひとのはなしです。
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タイ滞在中ある日の夜にいつものナットが「ご飯に行こうよ!」と誘ってくれた。
待ち合わせの時間ぴったりにゲストハウスの前まで来てくれたナットがバイクに跨がったまま後ろを指差して言う。「乗って」と。
タイの交通規制はゆるゆるで、ノーシトベルトもノーヘルも珍しくもなんともなく、車のクラクションは呼吸をするように鳴らす。何よりチェンマイの街を歩くたびウワア〜と声が漏れてしまうのがバイクの3ケツ。もっとひどいと4ケツ。
それをこれから自分がすることになる流れらしい。タイに初めて来たときは思ってもみなかった。
この写真だけでもう不安すぎる。
だけれども、乗ってみるとソンテウやトゥクトゥクとはまた違くタイの生暖かい風も心地よく、スレスレを通り過ぎるトラックに悲鳴を上げながらも楽しい。
ローカル感のある屋外の良さげなお店に連れてきてくれた。
店員さんがナットの友だちのようで、合間合間で私たちのところに座って話したりビールを飲んだ。気付いたときには他のお客さんも店員さんもみんな帰ってしまっていて、机の食器を片付けようとしたら「明日やるからそのままでいいよ」と言われた。
よく周りを見渡すと他の机の食器も食べかけの残飯もそのまま。ゆ、ゆる〜いと言いたくなってしまう。
おみやげのパッタイを持たされ食事のお会計が結構な金額になってしまって、お金を出そうとしたらやっぱりしまえという。タイでの生活を考えるとこの額はやばくないか?と不安になってしまい、作戦変更して「これは日本のお金だからプレゼントするよ!」と1000円札を渡したら、「じゃあ記念にとっとくからキの名前書いて!」って油性ペンを渡された。取っとくんじゃなくて両替してほしいんだけど!と言ったら前にお揃いで買った指輪出して見せて「一緒にとっとく!」ってとっとくじゃねーよ。
「これは誰?」と聞かれたのでせめてもとシャーペンで小さく名前を書いた。
帰りはナットの友だちであるダーも一緒で2人づつだったので恐怖の3人乗りは免れ、それからゲストハウスのテラスで2次会!
最近あったことや冗談を言い合ったり、恋人のはなしや宗教のはなし、たくさんはなしてたくさん笑った。
結局お店からみんなで15本くらいタイビールを飲んで、初めてビールだけで吐いた。
空も白んで来たのでそろそろお開きにしようとなり、ナット達を見送ってから感極まって無意味に泣いていたら、ゲストハウスのカウンターのお兄ちゃんが励まそうとしたのか慰めようとしたのかおもむろに冷蔵庫からビールを取り出してきてまさかの3次会。
「それここのだよね?お金は?」って財布を手に取ったら静止されて
「ノープロブレム。」
「マンペンライ?」
「マンペンライ!」
タイは交通規制以外もゆるゆるです。
コックさんのナッティーとタダチ。
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会話の中でゲストハウスのお兄ちゃんが中国人は騒がしいしマナーが悪くて好きじゃないと話していてうーんと思っていたら、帰り空港の待ち時間のときに中国人のお姉さんとが落とした本を拾ったのをきっかけに話す機会があった。名前はジャスミンさんというらしい。
初めは私のことも中国人と思っていて「日本人なんです」と言ったら「私去年は日本に行ったの!」と絵に描いたような綺麗な写真を見せてくれた。私が同じときに同じ場所に立っててもこんな素敵な写真は絶対撮れないとおもう。
私も「大陸は行ったことないけど台湾と香港はあるよ!」と、行った場所の写真の見せると、ジャスミンさんが「どっちも行ったことない」というので「日本やタイより近いのに無いの?」と聞いたら少しだけ表情を濁して「中国は好かれていないからあまり行く気がしなくて。トラブルが多いから」と。
アッ!っと即座に頭の中をよぎる香港の民主化デモ、台湾の学生による国会議事堂立て篭り。マカオの友人の大陸に対する厳しい態度。どれも記憶に新し過ぎてこちらも言葉を濁してしまう。そんな私の顔をうかがう様子を見せてジャスミンさんが「あなたは中国のことどう思う?」と聞いて来た。
私は中国人の友だちが居ないし詳しく知らないから勝手に言えないけれど(少し嘘)、政府は良くないと思ってる(本当)。でもあなたのことはとっても好き(本当)と答えた。
「じゃあ次は私の住んでるところにも来てくれる?」「もちろん!」「自然がたくさんあってきれいな景色が見れるの」「私の住んでるところも山ばっかりだよ!」とまた自分の住んでる場所の見せ合いっこになる。結局フライトの時間までおしゃべりして、私たちのほうが先だったので見えなくなるまでずっと手を振って見送ってくれた。
大陸の人を香港の人が好いていないというのはよく聞く話だけれど、大陸の人がどう思ってるかは聞いたことが無かったし、香港に嫌われようが台湾に疎まれようが気にしないでガンガン流れ込むイメージを持っていたので、思いっきりただの偏見であったことを思い知ってしまいそれを後ろめたかった。
おまけ
ナットがお土産にってプレゼントしてくれたTシャツ。
それジャパンちゃうチャイナや!だった。